エロと研究と日々の徒然

【論文紹介】オナニーという記号の起源に関する論考

年の瀬も近づいてきましたので、論文の紹介を行って今年をしめたいと思います。

今回紹介するのは
斎藤光先生によって執筆された「オナニー」記号の系譜です。
この論文はここにアクセスして読むことができます。
この論文はいわゆる自慰行為を指す記号体系(特にオナニーという語)について、その成り立ち等を明らかにするということを行っています。
以下にざっと内容をまとめてみます。

 

3系統からなる自慰行為を表す日本語

自慰行為を表す語は大きく分けると

  1. 漢語による表現
    例)自慰、手淫…
  2. 和語による表現
    例)かわつるみ(皮つるみ)、せんずり(千擦り)…
  3. 西洋から輸入されたものをカタカナにしたもの
    例)オナニー、マスターベーション

といった3系統になるようです。

 

「オナニー」という語の系譜

「オナニー(onanie)」はドイツ語に由来するようです。このオナニーという語は英語の「オナニエ(onanie)」に由来し、18世紀中ごろにはドイツで一般的に使われるようになったようです。

英語による「オナニエ」の起源は、18世紀初頭に出版されたパンフレット『オナニア』であると言います。

このパンフレット『オナニア』では、
「ちょめちょめ」な行為は自己汚染(self-pollution)ですよ
というように紹介しているそうです。
つまり、宗教的な罪にあたるという行為という記述あがありました。

同時に、
このような行為は気持ちよくなるよ
という紹介もされていたようです。
このような経緯があり、現代的意味のオナニーの始まりはここ(『オナニア』)にあったようです

 

「オナニー」が日本にやってきた

当時の法医学関係の資料等を参照すると、「オナニエ」という言葉が、おそくとも1882年までに日本語文化圏に入ってきていることが分かります。

その後、通俗性慾学研究者の一人である澤田順次郎の『性慾の心理』などにより、1921年までには「オナニー」が自慰行為一般を表すということが日本語文化圏に広まったそうです。

 

論文を読んで

ざっとまとめましたが、なるほど!という感じでした。

まさか、オナニーの語源がパンフレットの名前だったとは…。

今後の研究が期待されます。

 

それでは良いお年を。

 

 

参考文献

「オナニー」記号の系譜. 斎藤 光. 京都精華大学紀要 (31), 113-131, 2006